文学ガールじゃないけれど

本読んで感想書いていきます

ニートの歩き方

ニートの歩き方」pha 技術評論社

 

 まず、裏表紙のニートチェックシートをやってみたら16コ中8コも当てはまって若干ニートへの親和性が高かった自分・・・。あと、phaさんは社会学の研究者に向いてそう。

 

 それはおいといて、この本で紹介されているニート生活は「ハウスワイフ2.0」で紹介されている新しい専業主婦生活によく似ている。どこが似ているかと言うと、例えば一昔前と違って個人がネットでつながれる時代だから可能になったライフスタイル、って所とか。あえて会社(正社員)を辞めて手作り節約生活する所とか。まあ、phaさんのニート生活の方がハウスワイフ生活よりハードル高そうだけど。

 

 あとは、私の知らない世界のことがたくさん書いてあっておもしろかった。たとえば治験とか。20代、30代の男性の募集が多いとか、海外でも日本人向けの治験があるとか知らなかった。やる予定ないけど。

 あと、ウェブ業界は自由な社風のところが多いから出社時間が選べる会社もある、とか。もし死ぬほど早起きが苦手な人が、「朝早く起きなくていい」っていう条件だけで仕事を探したとしても、意外とそんな会社も見つかるんだろうな。やる予定はないけど。

 

 こういう風に、自分がやる予定はなくても、社会の中にいろんな価値観や選択肢があるというのは、それだけでとても助かることだ。女の子の生き方だって、専業主婦しかなかった時代から専業主婦かバリキャリの二択の時代を経て、昔ながらの専業主婦や在宅で手作り雑貨とかを売っておこづかい稼ぎする主婦や、正社員だけど短めに働く主婦や、フルタイムで働く主婦etc...の中から自由に選べるような時代が来るだろうか。

 実際にネットを通じた雑貨販売がお金になるかとか、phaさんのような収入の得方をできるか、と言われたら難しいと思う、そういうので生計を立てられるのは氷山の一角の人達だけ。でもそういう氷山の一角の人達が存在する意義は、同じようなやり方で稼ごうとする追随者を生むことではなく、こういう生き方もありますよ、という新しい価値観を世の中にプラスすることにこそあると思う。

 

 だから私は、同じような生き方をする予定はないけど、phaさんやハウスワイフ2.0と呼ばれる人達の生活をもっと知りたい。自分とは違った生活を見聞きすることで、心にもっと余裕が生まれる気がする。