文学ガールじゃないけれど

本読んで感想書いていきます

小飼弾の「仕組み」進化論ープログラマの三大美徳

小飼弾の「仕組み」進化論』小飼弾(日本実業出版社)

 

 小飼弾さんを全く知らずに、知り合いが読んでたからという理由で読んでみた。

 「仕組み」というキーワードには、私も少なからず思い入れがある。高校生の時、それまで全く興味のなかった経済、政治、社会のあり方について、ふとしたきっかけで興味を持つようになって、その時に「社会はいろんな仕組みが合わさってできているんだ」と単純に驚いた覚えがある。そして、仕組みをつくることによって個人の力では影響の及ばないような広範囲にまで関わることができる、善意やボランティアだけでは助けられないような人でも新しい仕組みを作ることで助けることができるかもしれない、と想像することが面白くて、ますます社会科学の分野に興味をもった。

 

 本の内容に戻ると、ここで書かれている「仕組み」はそういう「世の中の仕組み」のことではなく、どちらかというと自己啓発書のような文脈で「仕事の仕組み」が語られていた。と言っても、出世するために早起きしろとか、新聞を読めとか、そういう類の内容ではなかった。

 心に残ったのは、Part2の「プログラマの三大美徳」とPart6の「仕組みの未来」。まず「プログラマの三大美徳」が怠惰・短気・傲慢だと言うことは聞いていたけど、これは自分はプログラマじゃないから関係ないと思っていた。そして、今まで働くということは、組織に採用されて、決められた出社時間にその場所まで行って、目の前にあることをやって、終わったら帰ってくること、という位にしか思っていなかった。仕事のやり方はもう私が入社する何年も前から決まっていて、そのやり方に対して疑問を持つことは全く無かったんだけど、疑問に思っていいんだ、と考えてみたら、やっぱりと~~っても非効率なやり方だと再認識。(効率追求以外に諸事情があってこのやり方じゃないとダメなんだけど)毎日心のどこかで「メンドくさいなぁ」と思いながら作業していて、仕事なんだからそんなこと思ってはいけないと否定していたけど、やっぱり正常な感覚だったんだ。

 仕事のやり方の大枠は、変えられないところが多い。でも、「メンドくさい」という気持ちは押し込めるべきものではなくて、もっと自分がメンドくさくなく働けるように、工夫できるところはどんどんやり方を試していこうと思うと、単調な仕事でもすこしだけメンドくさくなく思えてくる。

 ・・・さっきからどんだけ仕事がメンドくさいんだ自分。

 

 それから、最終章の「仕組みの未来」。時間がないのでここで一旦切ろう。

                                  <続く>